NA.home通信 118号

                 1.oct.1998

 わが家から坂を上がったところに「宮池」がある。
 2ヶ月ほど前から始めた朝のウォーキングの行き帰りに池の回りを歩くのだが、水の汚れがひどいのに目を覆う。
 この地に根を下ろして11年、その頃はまだ回りに家も少なく、水もそんなに汚れてはいなかった。
 周りの山が崩されていく中、この池やその回りに逃げてくるのか、鳥の種類と数が増えて、冬には数え切れないほどのカモが羽を休めるようになった。

 7〜8年ほど前になるか、宮池小学校の親子教室という形で、この池の水を抜く機会に「さかなつかみ取り大会」が催された。
 子どもたちよりお父さんたちの方が頑張って、胸まで泥につかり大きな鯉や鮒、中にはウナギを捕まえる人もいた。
 うちの子たちは2人とも低学年で、大きな獲物は無かったが、頭から泥まみれになり楽しい体験をした。

 最近は誰が放したかブラックバスがいるらしい。
 立入禁止の柵を乗り越え、釣りをしている人を多く見かける。
 だいたいモラルを破って中に入る連中だからゴミを持ち帰らない。
 池の回りは柵がしてあるから水面に浮かぶゴミは、すべて中に持ち込んだものだ。
 水質もひどくなった。夏に発生したアオコは今もまだ消えていない。
 昨冬はカモの飛来もめっきり減ったし、カルガモも見かけなくなってしまった。

 こどもたちが、学校の行き帰りに池で遊ぶアヒルやカルガモの親子に勝手な名前を付けて、呼んでいる姿がなつかしい。
 「そんなに前のことではないのに」と、寂しい気持ちになりながら今日も汚れた水面の横を歩いてきた。


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