NA.home通信 305号
28.nov.2009

 スキーのジャンプはV字型のフォームが今では一般的である。最初に飛んだ選手は、飛型点を減点されるリスクを負いながら果敢にも挑戦し、飛距離を伸ばしていった。
 
 日本人は新しい技が好きなようである。でも他国の選手の技はあまり真似をしない。V字型ジャンプでは後れを取った。
 工業技術も同じようなもので、新しい技術の創造には補助金がつきやすく、一般的な技術開発では補助金は出にくい。
 「新しい技術の創造」と聞くと格好良いけれど、お金がかかるし失敗も大きい。それなら既存の技術や部品などを組み合わせて、新しい機械や設備などを作り出した方がコストが安くて、失敗が少ない。
 先号で話題にしたバイオマス発電もドイツ型では補助金が少なく、「日本で開発」などと冠を付けるとたっぷり付くらしい。
 おかげで、補助金が切れると止まってしまうような中途半端なものが多く、「バイオマスは成功しない」という悪しき噂が蔓延している。
 
 コンピューターの世界は、オフィスや家庭で使う汎用のCPUなどを組み合わせて、スーパーコンピューターを作るのがアメリカでは一般的で、世界中のシェアを独占している。汎用部品なので修理や改造が簡単で、何より安い。
 残念ながらCPUは全部アメリカ製で、それを使ってスーパーコンピューターを作るのは日本人科学者のプライドが傷つくのか、独自技術で世界一を目指すらしい。1台だけ作ってどうなんだろう。

 原田選手や船木選手らの活躍で日本人選手がV字飛行で活躍しだしたら、身長の低い選手のスキー板は短く切られ、日本人選手は飛べなくなった。悔しいね、マッタク。
 やっぱりスポーツは独自の技だね。バンクーバーは地元安藤美姫に頑張ってもらおう。
 「飛べ!4回転!!」

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