NA.home通信 445号
25.Feb.2018

 はりまや橋のホテルから講習会場の高知城ホールまで徒歩20分弱。寒気は西日本に張りだし、南国高知でも氷点下の朝だ。荷物を持つ手が痛いくらい冷たい。
 「手袋持ってくれば良かったな」。
 でもあるのは息子が中学時代に使っていたお古のヤツか軍手、高知に持ってくるようなものでは無い。どこかに売ってないかな。
 朝9時を過ぎ、開きつつあるアーケード街。ドラッグストアの店先にそれらしきもの発見した。店先で商品整理中の店員さんに聞く。
 「手袋ありますか?」、「こちらにございます」。
 ラックに並んでいるのはカラフルで、ほぼ女物、まさかピンクは買えない。色違いの黒いヤツがあった。小さいかな?
 「フリーサイズで伸びますから」
 選択肢はほとんど無い。それを取って奥のレジに行った。
 
 思えば手袋を買うなどスキーかバイク用くらいで買ったことが無い。靴下やパンツ買う以上にナンカ恥ずかしい。何故か言葉数が多くなり、店員さんと無駄な会話をしてしまう。
 
 子狐のように握った500円玉をレジの店員さんに渡すと、やさしくおつりをかじかんだ手に返してくれた。
 
 レジでハサミを借りてタグなどを切り落とし、その場で付けてみる。良い感じ。売り場のお姉さんにお礼を言ってアーケード街に戻った。
 道を確認しようとスマホを出した。手袋しているからダメだよな。
 「おっ!」反応する。
 指先を見ると色が違っていて違う繊維が使ってるようだ。これがスマホ対応の手袋だったか。聞いてはいたが手にするのははじめて。
 もっと高いように思ったが、こんな値段で買えるんだ。良いもの買った。
 ポケットに手を入れず、手袋をして颯爽と歩く。冬のアイテムの一つになった。

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